HANAパラメータ:statement_memory_limit

今回はHANAの重要パラメータ「statement_memory_limit」を取り上げます。

HANAは従来アプリケーションサーバで行っていた処理をデータベース上で実行することができます(コードプッシュダウン)。これによりデータ処理のパフォーマンスが向上することになりますが、同時に大量のHANAメモリを消費するクエリが実行される可能性を意味します。

HANAメモリの大量消費によるシステム障害防止のため、クエリに対するメモリを制限するパラメータがstatement_memory_limitです。

語ると長くなりますので、今回もChatGPTさんに要約してもらいました(かなり加筆修正を入れていますが..)。

概要

  • 目的: statement_memory_limitは、SAP HANAで実行される個々のSQLステートメントが消費することができるメモリの最大量を指定します。これにより、特定のクエリがシステムリソースを過度に消費するのを防ぐことができます。
  • 影響範囲: このパラメータは個々のSQLステートメントに影響を及ぼし、システム全体のメモリ制限とは異なります。

設定方法

  1. SAP HANA Studio:
  • HANA Studioを使用して、Administration Consoleで対象のシステムを選択。
  • Configurationタブに移動し、global.ini -> memorymanagerを選択。
  • statement_memory_limitを検索し、値を変更。
  1. SQLコマンド:

初期値

推奨値

  • 推奨値は、システムのサイズ、使用状況、利用可能なリソースに依存します。
  • 但し、HANA2.0 SPS06以降はglobal_allocation_limit の25%がデフォルト値であることから、同程度の値が妥当であると考えられます。

注意事項

  • 過剰制限: あまりに低い値に設定すると、正常に機能するクエリが不足によって失敗する可能性があります。
  • 監視: 設定後は、システムのパフォーマンスとクエリの動作を監視し、必要に応じて調整することが重要です。
  • 前提条件: global.iniの以下のパラメータがonになっている必要があります。
    • enable_tracking = on
    • memory_tracking = on

よくあるトラブル

  • クエリの失敗: メモリ制限が原因でクエリが失敗することがあります。これは、statement_memory_limitが低すぎる場合に発生する可能性があります。
  • パフォーマンス問題: 制限が高すぎると、他のプロセスやクエリのパフォーマンスに影響を与えることがあります。制限が無い場合、システム障害に発展する可能性があります。

関連パラメータとの関連性

  • global_allocation_limit: システム全体のメモリ使用量を制御します。statement_memory_limitはこの全体的な制限の中で動作します。

SAP HANAのメモリ管理とパラメータ設定は複雑なトピックであり、特定の環境と要件に合わせて慎重に調整する必要があります。専門家の助言やSAPの公式ドキュメントを参照することをお勧めします。

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この記事を書いた人

ただのSAP Basis/インフラエンジニアです。
保有資格:SAP HANA、Azure for SAP、PMP、TOEIC900の凡人。

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