ST06:OS モニタ 基礎編

目次

概要

SAP ST06は、SAPシステムのオペレーティングシステムモニタリングツールです。このトランザクションを使用することで、システム管理者はSAPサーバーのオペレーティングシステムに関連するパフォーマンスデータをリアルタイムで確認できます。

これにはCPU使用率、メモリ使用状況、ディスクI/O、ネットワーク統計など、サーバーのパフォーマンスを把握するための重要な指標が含まれます。

監視専用システムを利用していない、オペレーティングシステムを直接管理できない状況にある場合に、ST06は有用なオペレーションシステムを監視する手段として利用することができます。

ST06の主な機能

  • リソースモニタリング: CPU使用率、メモリ利用状況、スワップ領域、ディスクI/O、ネットワーク使用状況などを表示します。
  • パフォーマンス分析: システムパフォーマンスの問題を特定し、リソースが適切に利用されているかを分析します。
  • 履歴データの表示: 特定の期間にわたるシステムのパフォーマンスデータの履歴を確認できます。
  • アラートと通知: パフォーマンスに影響を与える可能性のある問題を検出した際にアラートを生成します。

ST06の使用方法

  1. ST06の実行: SAP GUIで「ST06」と入力し、Enterキーを押してトランザクションを開始します。
  2. システム情報の確認: 画面に表示される各種パフォーマンス指標を確認し、システムの現状を把握します。
  3. 詳細分析: 必要に応じて特定のリソースの詳細なデータを分析し、パフォーマンス問題の根本原因を特定します。
  4. 履歴データの閲覧: 「履歴」ボタンを使用して過去のパフォーマンスデータを確認し、トレンド分析を行います。

ヒントとベストプラクティス

  • 定期的なモニタリング: システムのパフォーマンスと安定性を保つために、ST06を定期的に使用してリソースの状態を監視し、必要に応じて調整を行います。
  • 問題の早期発見: リソースの異常使用が確認された場合、早急に原因を調査し、適切な対策を講じることが重要です。
  • ドキュメントの整備: 重要なパフォーマンスデータや発生した問題、およびその解決策を文書化しておくと、将来的なトラブルシューティングに役立ちます。

ST06は、SAPシステムが稼働するオペレーティングシステムのパフォーマンスを監視し、問題を早期に発見して対応するための有効なツールです。システムの健全性を維持し、最適なパフォーマンスを確保するために、適切な使用と分析が求められます。

各監視項目

システム情報

サーバーのOS、ハードウェア、クラウドプロバイダなど、システムに関する基本的な情報を表示します。

CPU

CPUの使用率、平均待機プロセス数、CPU数など、CPUのパフォーマンスに関連する指標を提供します。

メモリ

物理メモリと空きサイズ、スワップサイズ、ページイン/アウトなど、メモリリソースの状況を示します。

ディスク

ディスクの利用率、キュー、待機時間、転送、応答時間など、ディスクのパフォーマンスと使用状況に関する情報を提供します。

LAN

ネットワークインターフェースの送受信トラフィック量、エラー数、パケットの統計など、LAN(ローカルエリアネットワーク)のパフォーマンスをモニタリングします。

ファイルシステム

各ファイルシステムのサイズ、空き容量、空き容量の割合など、ファイルシステムの状態を表示します。

上位40 CPUプロセス

CPUリソースを最も多く消費しているプロセスのリストを表示し、それぞれのプロセスがどの程度のCPU時間を使用しているかを示します。

監視対象プロセス

特定のプロセスを監視対象として設定し、そのプロセスのパフォーマンスと状態を追跡します。

モニタオペレーティングシステム

オペレーティングシステム全体のヘルスチェックとパフォーマンスの監視を行います。これには、OSによるリソースの管理や異常な動作の検出が含まれます。

これらの項目を通じて、SAPシステムと関連するインフラストラクチャの健全性とパフォーマンスを詳細に理解し、必要に応じて適切な対策を講じることができます。

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この記事を書いた人

ただのSAP Basis/インフラエンジニアです。
保有資格:SAP HANA、Azure for SAP、PMP、TOEIC900の凡人。

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