SAP HANAパラメータの推奨値を設定しよう

SAP HANAのパラメータは非常に重要です。特に重要なメモリ関連のパラメータにおいては、パラメータ一つでシステム障害が発生するようになったり、SQL処理がメモリ不足で大量にエラーになったりする事があります。

このような事態を避けるため、SAP HANAのパラメータはSAPが推奨している値を元に設定にする必要があります。

目次

SAP HANAパラメータの推奨値について

SAP HANAパラメータのデフォルト値

SAP HANAパラメータのデフォルト値は一般的にシステムの最適な性能を提供するように設計されていますが、それが必ずしもすべての環境やユースケースにベストプラクティスであるとは限りません

特定の運用要件やパフォーマンス要求に応じて、これらのパラメータを調整する必要がある場合があります。そのため、デフォルト設定を適用する前に、環境特有のニーズを考慮に入れることが重要です。

また、SAP HANAのパラメータのデフォルト値はSupport Package Stack(SPS)によって変わることがあります。この変更は、技術的な進歩や顧客からのフィードバックに基づいて、SAPはパフォーマンス最適化や問題の解決を図るため、新しい機能の追加、既存機能の改善、またはセキュリティ強化など、さまざまな理由に基づいて行われます。

そのため、バージョンアップ後は新しいデフォルト設定を確認し、必要に応じてシステム設定を更新することが推奨されます。

SAP Note: 2600030 – Parameter Recommendations in SAP HANA Environments

https://me.sap.com/notes/2600030

SAP HANAパラメータの推奨値は、SAP Note ”2600030 – Parameter Recommendations in SAP HANA Environments”で確認することができます。このSAP Noteは推奨値が変更となる度に更新されますので、常に最新です。

S/4HANAへの移行真っ最中のプロジェクトが多い時期かと思いますので、本番リリース前までに必ずこのSAP Noteをチェックして推奨値を設定するようにしましょう。

また、長期プロジェクトの場合は初期構築時からリリース前までの間に推奨値が変更されている可能性がありますので、できればUATの前までに再チェックをして推奨値の設定を済ませておきましょう

※SAP NoteはSAPと契約されているアカウントにのみ公開されていますので、内容はマスキングしています。

このSAP Noteの構成は以下となっています。
それぞれにパラメータ名、推奨値、関連SAP Note、詳細説明などが表形式で掲載されています。

1. SAP HANA パラメータ推奨値
2. SAP ABAP パラメータ推奨値
3. Operating system パラメータ推奨値

SAP HANA Configuration Parameter Reference

SAP HANA Configuration Parameter Reference

https://help.sap.com/docs/SAP_HANA_PLATFORM/009e68bc5f3c440cb31823a3ec4bb95b/4b4d88980622427ab2d6ca8c05448166.html?locale=en-US

SAP HANAパラメータは”SAP HANA Configuration Parameter Reference”からも確認することができます。

単にパラメータの説明やデフォルト値が書いてあるだけではなく、関連ドキュメントやSAP Noteへのリンクが貼られているところがポイントです。この手のパラメータは重要であることが可能性が高いです。

ただし、なぜか全てのパラメータが掲載されているわけではないようで、ご注意ください。私が勝手に気づいただけで理由は不明です。

SAP HANA Memory

SAP Note: 1999997 – FAQ: SAP HANA Memory

あわせて確認したいSAP Noteが”1999997 – FAQ: SAP HANA Memory”です。HANAはインメモリーデータベースだけにメモリーが非常に重要となっており、このようなSAP Noteが用意されています。

このSAP Noteの内容は、2024年5月7日時点で49ものFAQが用意されています。内容が膨大すぎてブログにはまとめられませんので(1つのFAQで1つの記事が書けます)、実際のSAP Noteから個別にご確認ください。どれもが重要な内容となっています。

質問部分の内容のサンプルは以下になります。これだけでも重要な内容であることがわかります。

  1. SAP HANAメモリ問題の兆候は何ですか?
  2. 現在のSAP HANAメモリ消費に関する情報をどのように収集できますか?
  3. 過去のSAP HANAメモリ消費に関する情報をどのように収集できますか?
  4. 重要なメモリ領域はどこですか?
  5. メモリが不足した場合、SAP HANAはどのように対処しますか?
  6. SAP HANAのメモリ消費を制限するために使用できるパラメータは何ですか?
  7. SAP HANAのメモリ消費に関連する問題をどのように分析できますか?
  8. SAP HANAマシンの物理メモリを拡張することは可能ですか?
  9. SAP HANAメモリ問題のリスクを軽減するためのオプションは何ですか?
  10. 利用可能なメモリが現在のシステムおよび予想される将来の成長に十分かどうかをどのように判断できますか?
  11. SQLステートメントのメモリ消費を監視することは可能ですか?
  12. 単一のSQLステートメントに割り当てられるメモリを制限することは可能ですか?

余談ですが、このSAP Noteは日本語機械翻訳に切り替えてもメインの部分が日本語になりませんでした。ですので以下のサンプルはそのまま貼り付けたものではなく、こちらで翻訳したものです。

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この記事を書いた人

ただのSAP Basis/インフラエンジニアです。
保有資格:SAP HANA、Azure for SAP、PMP、TOEIC900の凡人。

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